耐透過性クラス:JIS規格の基礎知識
目次
耐透過性クラスとは?
耐透過性(化学物質の透過を防ぐ性能)については、JIS 規格(JIS T 8116「化学防護手袋」)で耐透過性クラスが規定されています。

耐透過性クラスは、平均標準破過点検出時間を指標として1~6まで6つのクラスに分類されており、クラス6が最も耐透過性が優れるものとされています。
わかりやすい言葉で言い換えると「どのくらいの時間で透過するか、その時間でクラス分けしたもの」ということになります。
平均標準破過点検出時間
JIS規格(JIS T 8116「化学防護手袋」)では、透過速度が0.1 μg/cm²/minに達した時点で破過したとみなすこととしています。
これだけではわかりづらいと思いますので、わかりやすい例で説明します。
雨漏り
家の外で土砂降りの雨が降っていると想像してみてください。
最初のうちは屋根が雨をはじいていますが、時間の経過とともに水が浸み込み、やがて室内に最初のひとしずくがポツン…。
ひとしずく落ちた後、そのまま「ポツ…ポツ…」とゆっくり漏れてくるのか、それとも「ドボドボ」と激しく漏れてくるのか。
この漏れる勢い(量)が「透過速度」です。

「ポツ…ポツ…」の段階で「すいません、雨漏りしてるんですけど」とアパートの大家さんに相談に行ったところ「そんなの雨漏りのうちに入らないよ!」と言われてしまったA君が部屋にトボトボと戻りながら一言。
「前に住んでたアパートの大家さんだったらすぐに直してくれたのになあ」
このように雨漏り(透過)の判断基準が大家さんごとに異なってしまっては困りますので、JIS規格(JIS T 8116「化学防護手袋」)では、雨漏りの程度(透過速度)を、「1分間に1cm2あたり0.1μg」と定めており、雨が降り始めてからその定められた雨漏りの程度に達するまでの時間(平均標準破過点検出時間)で屋根の性能をランク付け(クラス分け)している、ということになります。

このグラフでは、時間の経過とともに雨漏りの量が多くなり、雨が降り始めてから150分経過したところで、雨漏りの量が0.1μg/cm2/minに達しているので、
「150分で破過した」「(この屋根は)150分までは透過を防ぐことができる」
ということになります。耐透過性クラスでいうとクラス4(>120分)に該当します。なかなかいい屋根です。
まとめ
透過速度が遅い = 染み込んできても、量はわずか(=比較的安全)
雨漏りを防ぐには防水性能がよい屋根が必要なのと同じように、化学物質の透過を防ぐには耐透過性能に優れた化学防護手袋を選択し、使用する必要があります。
化学物質を取り扱う作業時間に応じた耐透過性データ、耐透過性クラスを有する適切な化学防護手袋を選びましょう。
化学防護手袋の選び方や、化学物質の透過によるリスクについては以下をご参照ください。
関連リンク:化学防護手袋の選び方